和食のだしを取るのに欠かせない干ししいたけ。
スーパーに干しシイタケを買いに行って疑問に思ったのですが、
「しいたけ」と書いたものと、「どんこ」と書いたものがありますよね。
私は今まで椎茸とどんこの違いについてよく知らず、
どんことは「どんこ」という種類のしいたけのことだと思っていたのですが
そうではないそうなのですが、皆さんは椎茸とどんこの違いをご存知ですか?
今回はしいたけとどんこの違いについて
栄養価にも違いはあるのか?について
さらには「どんこ」という名前の由来について
いろいろ調べてみましたのでご紹介します。
しいたけとどんこの違い
しいたけとどんこにはどのような違いがあるのかを調べたところ、
「カサの開きが違う」ということがわかりました。
それはつまり、収穫するタイミングが違うということです。
しいたけの作り方について椎茸農家の方のお話によると、
まずクヌギの木に直径1㎝程度の穴を20か所ほど開けて
そこに「しいたけ菌」を植え付けていきます。
そしてその木を約1年半寝かせるんだそうです。
そうすることでしいたけ菌が気の栄養分を吸い取り、
クヌギの木全体にしいたけ菌の菌糸が広がります。
そして菌糸の先端が木の表面を突き破って「しいたけ」ができるとのこと。
表面に芽が出たしいたけは約3週間程度で「どんこ」と呼ばれる状態になります。
それはどのような状態かというと、カサが3分~7分未満程度開いた状態のもの。
そしてそこからさらにカサが7分以上開いてしまったものを「しいたけ」と呼びます。
ですが、この「どんこ」の状態は驚くほど短く、早いものでは約3時間後には
「どんこ」の時期を過ぎ、「しいたけ」になってしまうんだとか。
しいたけというのは、天気や温度にとても左右されやすく、
気温が急に上がったり、雨が降ったりするとカサが一気に開いてしまいます。
椎茸農家ではどんこの状態のものを収穫するための時間が短くなってしまうため、
どうしてもどんこの収穫量が少なくなってしまうそうです。
椎茸とどんこの栄養価に違いはあるの?
しいたけとどんこは食べ比べてみるとわかるのですが、
「肉厚感」が全く違います。
どんこのほうが肉厚で食べ応えがあるのです。
じゃあ椎茸農家さんはどんこだけを収穫できるように
収穫のタイミングを考えて栽培すればいいのに・・・と思ったのですが、
しいたけにも「しいたけとして収穫する意味」がありました。
しいたけは水に戻すと薄く平らになりますよね。
そのため薄切りにしたり、細かく刻んで使用するといった
調理に利用しやすいため、味のアクセントとして重宝するのです。
一方、煮物やてんぷらなど、歯ごたえを生かした料理には
どんこのほうが向いているというわけで、
調理法によって上手く使い分けられるというわけですね。
ですが、収穫のタイミングが違う椎茸とどんこは栄養価に違いがあるのかも気になるところ。
せっかく食べるなら、より栄養価が高いほうを選びたいと思いますよね。
そう思い調べてみたのですが、収穫のタイミングが違うとはいえ、
先ほどもお話ししたように、収穫時期の差はたった3時間程度。
そのため、味や栄養価には違いはまったくありませんでした(笑)
どんこが椎茸に比べて若干高価なのは、あくまで
収穫量の少なさだけが理由ということですね。
どんこの名前の由来は?
要するにどんこは「若いしいたけ」ということができますが、
なぜそれが「どんこ」と呼ばれるようになったのでしょう?
どんこの名前の由来については明治時代の初期にさかのぼります。
当時日本では、カサが開いた椎茸と、カサが開いていないどんこを
混ぜて売っていたのですが、そこへやってきた1人の中国人が、
カサが開いていない干ししいたけを選び、「ドング、ドング」と言ったそう。
実は中国ではカサが7分未満しか開いていない干ししいたけは
「肉厚で美味しい」という認識があったことから、
普通の干ししいたけとの差別化を図り「ドング」と呼び分けていたそうです。
やがてその呼び名が次第に崩れていき、最終的に「どんこ」に変化したんだとか。
まとめ
しいたけとどんこの違いは、「収穫のタイミング」。
カサが3分~7分未満で収穫されたものが「どんこ」、
カサが7分以上開いた状態で収穫されたものを「しいたけ」という。
収穫のタイミングの違いはたった3時間程度のため、
味や栄養価には違いはない。
どんこの名前の由来は中国での「肉厚なしいたけ」の呼び名である「ドング」が変化したもの。
私は今までこの違いを知らなかったため、
開ききったしいたけを見て「しいたけの肉詰めってどうやって作るんだろう?」
と不思議に思っていたのですが、
あれは「どんこ」を使えばいいってことがわかりました。
これからは料理によってうまく使い分けて見ようと思います^^