愛犬が突然何もないのにソファや床、ベッド、はたまた
自分のトイレシーツなどを掘っていることはありませんか?
それは本来犬が持っている習性の他にストレス解消や
感情を表現するためという理由だったりと、さまざまな原因があります。
理由によってはそのまま気が済むまで掘らせておいていい場合もあるのですが、
中にはそうでない場合も・・・。
間違った対応をしないためにも掘る原因の種類や
対策についてお話します。
犬があちこち掘るのはなぜ?
一心不乱に掘り続けている愛犬を見ると何をしているのか気になりますよね。
そしてもし掘っている場所がソファやカーペットだったりしたら、
穴が開くのではないかとヒヤヒヤしますよね。
だからと言って原因がわからないままに叱るのはNG。
ここはひとつ普段愛犬がどのような生活を送っているかなどを振り返りながら、
・いつ掘るのか?
・掘る回数や頻度はどれくらいか?
・誰がいる時、またはいない時に掘るのか?
・掘り続けている時間の長さは?
など愛犬を冷静に観察してみましょう。
それによってあなたの愛犬がなぜ掘るのかを
次の中から見つけてみてください。
犬が掘るには原因があった
犬が掘る原因は主に7つあります。
①排泄の前後に掘る
もし犬が排泄前に掘っているなら、
そのトイレがなかなか落ち着かなくて排泄しにくいか、
排泄物が残っているのが嫌だからという理由が考えられます。
また、退屈しのぎでトイレシーツを掘ったら楽しかったという
ことから遊びやクセになっている場合もあります。
一方、排泄後に掘っているなら、
自分のニオイを消して敵から身を守ろうとする野生の習性の名残。
この行動はこだわりが強く、神経質な性格の犬に多く見られます。
②欲求不満で掘る
1歳前後の若い犬や多くの運動量を必要とする犬の場合、
運動不足が原因で、ストレスが溜まることで掘りやすくなります。
家やケージの中から外へ出たいという欲求があるとき、
運動不足、または散歩中に行きたい方向に行かせてもらえない時などに
ストレスを感じます。
③気を引きたくて掘る
飼い主さんに構ってほしいのに構ってもらえない時などに
気を引こうとして掘る犬は、
過去に掘ったら飼い主さんが反応してくれたという経験から
自分に注目してもらうために掘る行動をします。
これは若い頃に始まることが多く、
寂しがりな性格の犬に多く見られます。
④獲物を見つけたい、または隠したくて掘る
おもちゃやおやつなどを掘って探したり、または
もらったおやつやお気に入りのおもちゃを誰にも取られないように
隠そうとする行動もまた野生時代の習性の名残です。
⑤寝床づくりのために掘る
寝床を一生懸命に掘る犬の場合は、
快適な温度で寝るための犬なりの工夫です。
暑い時は冷たい場所を探すため、寒い時は空気を取り入れて
寝床を温めるために掘る行動を取ります。
そして実際に掘れない硬い床のような場所でも
そのような効果を期待して掘る場合があります。
これは暑がりな犬や興奮しやすい性格の犬に多く見られます。
⑥恐怖・不安から逃げ出したくて掘る
恐怖とは目の前に怖いと感じる物がある時や状況で、
不安とは目の前にはないものの、何か嫌なことが起こるかもしれないと感じる状況です。
そのような気持ちを打ち消すために掘る行動を取ります。
あまりにもひどく掘る行動が多い場合には、
飼い主さんが不在にすることで引き起こす「分離不安」という
心の病気も考えられます。
⑦病気のせいで掘る
体に何らかの痛みや不調を感じ、それを紛らわせるために掘る場合があります。
この場合はその痛みや不調の原因を取り除くことで解消することができますが、
欲求不満や恐怖・不安などが高じて精神的な病気(常同障害)になってしまと
掘ることよりもそちらを解決しなければいけません。
犬が掘るときにはどのような対策をすべき?
犬が掘る上記7つの原因にはどのような対策を取るべきかご紹介します。
A.様子を見守る
①、④、⑤の場合は飼い主さんにとって不都合がない場合は
無理にやめさせる必要はありません。
かえって無理にやめさせようとした方がストレスになってしまうこともありますので
様子を暖かく見守りましょう。
①排泄の前後に掘る場合
排泄の前後に掘る行動は、トイレを掘るのは落ち着いて排泄をするためのルーティーンです。
叱ってしまうとせっかく覚えたトイレでの排泄ができなくなってしまったり、
トイレを掘れないことが原因で他の場所を掘るようになる可能性もあるので
決して叱ってはいけません。
ただし、シーツがビリビリになって困るのであれば
メッシュ付きのトイレを用意するなどして予防対策を取りましょう。
④獲物を見つけたい、または隠したくて掘る場合
獲物を見つけたい、または隠したくて掘るのは、
本能による行動なので無理に辞めさせることはありません。
ただ、前に隠したおやつが傷んでいてお腹を壊すと大変なので、
何を隠したか?やどこに隠したか?ということは、まめに気にかけておきましょう。
⑤寝床づくりのために掘る場合
寝床づくりのために掘る場合は、愛犬が快適に休むための行為なのでやめさせる必要はありません。
人間だってフカフカした布団に埋もれて眠るのは気持ちがいいですよね。
ですが、部屋の温度が愛犬にとって暑すぎ、または寒すぎという可能性もあり、
室温を調節することで収まる場合があります。
B.原因を取り除く必要あり
犬の習性による掘る行動は、飼い主さんにとって困ることでない限り
特に気にしなくてもいいのですが、②、③、⑥、⑦の場合は
原因となる問題を取り除いてあげる必要があります。
②欲求不満で掘る場合
欲求不満で掘る場合は、明らかにストレスが原因です。
愛犬の運動量を増やすべく散歩の回数や時間を増やす、
ケージから出して一緒に遊ぶ時間を増やすなどしましょう。
欲求不満が解消されれば事前と掘る行動は減っていきます。
③気を引きたくて掘る場合
気を引きたくて掘る場合は、本当に気を引きたくてやっているうちは問題ないのですが、
気を引くために始めたことが、掘らないと落ち着かないとなると
深刻な問題(常同障害)として捉えなければいけません。
そうなる前に、
かまってあげられない時は徹底無視するとともに、
遊んであげられるときはたっぷり遊んであげる
というようにメリハリをつけましょう。
⑥恐怖・不安から逃げ出したくて掘る場合
恐怖・不安から逃げ出したくて掘る場合は、愛犬が恐怖や不安を感じる根本となる原因を突き止めないと掘る行動は治まりません。
始めに提示した
・どこを掘っているのか?
・いつ掘るのか?
・掘る回数や頻度はどれくらいか?
・誰がいる時、またはいない時に掘るのか?
・掘り続けている時間の長さは?
など、愛犬を冷静に観察してみましょう。
そして原因が見つかったら動物行動学に詳しい獣医さんや
トレーナーさんなどに相談して対策を教えてもらいましょう。
⑦病気のせいで掘る場合
病気のせいで掘る場合は、病気なのか精神疾患なのか、飼い主さんでは見極められませんよね。
なので、今までよりも明らかに掘る行動が増えたり、
突然始まったなど、とにかく以前と何かが感じたら、念のためかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
まとめ
犬が掘る原因は、
・排泄の儀式
・欲求不満
・気を引きたい
・獲物を探したい・隠したいという本能
・寝床づくり
・恐怖や不安
・身体的または精神的病気
原因によってそのままさせておいて良い場合と、
原因を取り除く対策が必要な場合がある
気を引きたかったり、本能でやってる分には見ていて微笑ましい掘る行動。
ここで一つ、愛犬が喜ぶ遊びをご紹介します。
ちょっと大きめの段ボール箱に新聞紙を裂いたものを入れ、
その中に愛犬の大好きなおもちゃを隠してあげると
思う存分掘りながら遊べてストレス解消にもなります。
さらにおもちゃを見つけたことを褒めてあげると愛犬の満足度も高まりますよ。
ただし、これで遊んでいる時は新聞を誤飲しないよう、必ず
放置せずに一緒に遊んであげてくださいね。