20歳を超えた学生にとって国民年金の学生納付特例はありがたい制度ではありますよね。
ですが、学生納付特例は申請すれば「学生である間の納付は待っててあげる」だけのものであって、
決して「申請すれば納付しなくてよくなる」というものではありません。
国民の義務としては追納は当然すべきものではあるものの、
もし追納しないとどうなるのか?
追納しないことで後にどんなデメリットがあるのか?
というところは気になりますよね。
そこで今回は学生納付特例を利用した人は必ず追納しなければいけないのか?
追納しないとどうなるのか?
追納しないとしたらどんなデメリットがあるのか?
についてお話します。
学生納付特例は追納するべきか?
学生納付特例は、
「収入がない、または少ない学生だろうから
手続きをすれば卒業して自分で稼げるようになるまでは納付を待ってあげる」
という制度です。
申請さえしておけば、老後の年金がもらえるようになる受給資格(年金加入期間10年)に
カウントしてもらえますし、万が一事故や病気で障害認定を受けた時や、
結婚後に家族を残してあなたが先に亡くなった場合などにも
年金からのサポートを受けることが可能になります。
つまり、国民年金とはただ単に毎月老後の生活費を積み立てているだけではなく、
障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金という4つの役割もあるのです。
それが申請をきちんとしておくことで、あなたが納付を猶予されている間も、
保証されていることになるのです。
「保険」とはそもそも万が一に備えて支払うものであり、
保険料を支払うことで保証(保険金)を受けることができるもの。
そう考えると追納することの損得を考えるのではなく、
追納とは「するのが当たり前のもの」と考えることができますね。
国民年金の学生納付特例は追納しないとどうなる?
学生納付特例が適用になっていた頃の納付額を
追納するべきものであるということは理解できたとして、それでもなお
追納しない道を選ぶとどうなるのかは気になるところですよね。
本来納めるべき納付額を追納しなければどうなるのか?
答えは、
老齢基礎年金の受給額が減ります。
つまり、あなたが将来60歳、65歳、70歳、75歳・・・とどのタイミングで
年金の受け取りを開始するかというのは置いといて、
老後に受け取る年金の受給金額が減ることになります。
と言っても例えば2年間学生納付特例を受け、その分を追納しなかったとしても
受給できる老齢基礎年金の額から
学生納付特例を受けていた期間(ここでは2年=24か月)÷ 年金を納付する期間(40年=480か月)=5%
となり、この5%分が減額になります。
この5%をどう取るかはそれぞれの考えにより変わってくると思いますが、
追納することで「減額」は無くすこともできます(ただし、追納は申請してから10年以内)
追納できる期間を過ぎても満額の年金を受け取る方法
追納できる10年を過ぎてしまうと猶予されていた期間の保険料は納めることはできなくなります。
例えば、20歳、21歳の時に学生納付特例を申請し、現在32歳を過ぎてしまっていたら、
20歳の時の分、21歳の時の分のどちらも追納期限から10年を超えているため、追納することはできません。
ですがその後考えが変わり、老後の国民年金からの支給額を増やしたいとなったら、
60歳以降に国民年金に「任意加入」することで、追納できなかった国民年金保険料を納めることで
満額の年金を受け取れるようにすることができます。
学生納付特例を追納しなかった場合のデメリットは?
学生納付特例を利用せず保険料を納付し続ける
場合と、
学生納付特例を利用した後に追納する
場合で比較したとき、
やはり「学生納付特例を利用後に追納」には若干のデメリットがあります。
3年度より前の分を追納する場合には、当初の保険料に
僅かですが加算額というものが付加されるので、
納付すべき保険料の総額が高くなってしまいます(2年以内に追納すれば加算額はなし)
国民年金関連記事:
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まとめ
国民年金の学生納付特例は利用後、本来は追納するべきものである。
追納しないと学生特例納付を受けていた月数÷加入期間月数(480か月)分が
老後受給額より減額になるが、
追納できる期間が過ぎても60歳以降に国民年金に任意加入することで
受け取る受給額を満額にすることができる可能性がある。
追納しなかった場合のデメリットは、
3年度より前の追納をする場合には加算額という「利息のようなもの」が付加される。
国民年金の納付は国民の義務であるとはいえ、
追納するも追納しないも個人の考えによって決められるのが現状ですので、
どちらの判断をするにしてもしっかり自分の将来について
色々な想像してみることをおすすめします。