七五三は子供がここまで無事に成長出来たことを感謝する大切な行事です。
数え年で男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の時に
神社にお参りに行きますよね。
ですがその年におじいちゃんが亡くなってしまったなど
身内に不幸が起きてしまったら・・・。
「喪中は神社へ行ってはいけない」「喪中は神社の鳥居をくぐってはいけない」
など、耳にしたことがある方もいると思いますが、
では喪中になってしまったら、子供の七五三のお参りには行ってはいけないの?
身内揃っての写真撮影や食事会もやめるべき?
今回はあなたの子供(孫)の七五三の年に祖父母が亡くなってしまった時や、
身内に不幸が起きた時、お宮参りや七五三は予定通りやっても良いのか
それとも中止にするべきかについてお話します。
子供が七五三の年に祖父母が喪中になった
子供のこれまでの成長に感謝し、そしてこれからの成長を願う
そんな大事な意味がある七五三。
お父さん、お母さんに限らずおじいちゃん、おばあちゃんにとっても嬉しい行事ですよね。
ですが昨今の晩婚化傾向を考えると、お父さんやお母さんの高年齢化と共に
祖父母も同時に高年齢化しているのは当然のこと。
なので子供が七五三のお参りをする年におじいちゃんやおばあちゃんが
亡くなってしまうこともそれほど珍しいことではありません。
日本の2大宗教に仏教とキリスト教があげられますが、
その他に宗教とは少し違った位置に「神道」があり、
基本的に信心深い宗教家を除いてはその情報はごちゃ混ぜになって
あなたの記憶を混乱させていることも。
忌中と喪中の違い
まず、仏教と神道には身内が亡くなった直後は「忌中(きちゅう)」といって
故人を弔うことを優先する期間があるのですが、
よくいう「四十九日(没後7週目=49日)」というのが「忌中明け」とするのは仏教の考え方。
一方、神道では「五十日祭(没後50日)」を忌中明けとするという違いがあります。
(ちなみにキリスト教にはこの「忌中」という概念はありません。)
そして「喪中(もちゅう)」という考えは実は宗教には関係なく、
故人が亡くなってからの1年間を喪に服する期間とするこの風習は世界各国に存在します。
故人が亡くなってから1年間はお祝い事やお祭りなどに参加することは控えて
故人の死を悼み、生活を慎む
そいうのが一般的な喪中の過ごし方となります。
七五三 身内の不幸はどこまで気にするべき?
では、ここでいう「身内の不幸」はどこまで配慮する必要があるのでしょう?
あなたから見た父母、義父母そしてあなたの子供が「一親等」あたりますが、
子供から見たらおじいちゃん、おばあちゃんは「二親等」にあたります。
喪に服すべき絶対的な基準というのに決まりはないものの、
通常であれば二親等以内の親族の死を「身内の不幸」と捉えるようです。
ではやはり祖父母が亡くなってしまった年には
お祝い事やお祭りなどに参加することは控えて故人の死を悼み、生活を慎む
こととなるため、七五三のお祝いは中止にした方がよいのでしょうか?
喪中の年の七五三のお祝いはどうすれば?
喪中の年の七五三のお祝いに関しては、
「忌中は避けるべきだが、喪中ならいいのでは?」
という意見が多め。
理由としては、
「これまでの子供の成長を神様に感謝する」そして
「これからの成長をお守りいただくために神様に祈祷する」
という2つの意味から。
なので記念写真を撮影することも、みんなでお食事をすることも
この2つの意味が含まれているので、特に中止する必要はないというのが大方の意見です。
(あまり豪勢にはしないようにする配慮は多少必要でしょうが)
喪中は鳥居をくぐってはいけないって本当?
一説には「喪中は鳥居をくぐってはいけない」と言われることもあり、
中には「鳥居の脇から入ればよい」と勘違いしている人も多いようですが、
これは「鳥居をくぐらなければよい」という意味でもなく、
そして「喪中」というのも間違いです。
正しくは、
忌中は神社へ行ってはいけない
という意味です。
どういうことかといいますと、
神道において死は「けがれ」であるという考えがあるのですが、
この「けがれ」とは、「不浄」や「不潔」を意味するものではなく、
愛する人(身内)が亡くなったことの悲しみから、
生命力が減退してしまっている状態のことを指します(「けがれ」=「気枯れ」)
ですから、「気枯れ」=忌中が明けた後の
喪中であれば、神社へ行くことは何の問題もありません。
なのでもし、おじいちゃんやおばあちゃんが子供が七五三の年に
亡くなってしまっても、忌中(50日)が開けてからであれば、
予定通りに七五三のお参りに出かけられて構いません。
それに亡くなってしまったおじいちゃんおばあちゃんだってきっと
天国から孫の晴れ姿を見て喜んでいるに違いありませんから。
まとめ
子供が七五三の年に祖父母が亡くなってしまったら
忌中が明けてからの七五三のお祝いは普通におこなって問題ない
身内に不幸があった場合も同じ
七五三は子供のこれまで、そしてこれからの成長を
神様に感謝し、引き続きお守りいただくための大切な儀式であるため
忌中以外であれば予定通り行いましょう。
「忌中」と「喪中」を勘違いし、
喪中の1年間は神社に行ってはいけないと思い込んでいる方が多いので、
ここの違いを理解して、七五三にはしっかり神様に祈祷しましょうね。