犬のしつけに欠かせないコマンド。
その基本的なものの一つに「お手」がありますよね。そして
それとセット?で「おかわり」もありますよね。
本来犬に行うしつけとは、人間と犬が快適な共同生活を過ごすため、
そして愛犬を危険から守るために必要なものなのですが、
「お手」や「おかわり」って何のためにあるのでしょう?
そしてお手・おかわりは実はどちらの前足か決まっているのをご存知ですか?
今回はお手やおかわりの必要性や、正しいお手・おかわりについて、
そしてお手・おかわりのコマンドの教え方についてご紹介します。
犬のしつけにお手は必要か?
「犬のしつけ」というとまず最初に思い浮かぶのがお手やおすわりですよね。
ですがよくよく考えると「お手」って人間との共同生活に必要なしつけ??と疑問に思います。
お手やおかわりはどちらかというと「しつけ」ではなく「トリック」と呼ばれる芸になります。
ではこのような「しつけ」とは違う「トリック」はなぜあるのでしょう。
お手は本来”服従”を表すものだった
お手のそもそもの意味は「服従」を表すものでした。
犬の祖先である野生で生活していたオオカミにとって命に等しいのは「脚」でした。
野山を駆け回り獲物を狩るために、脚はかなり重要な部分。
そのため、その大事な脚を相手に預けるという行為は、
「あなたを信頼しています」「あなたに忠誠を誓います」というように、
その人間に対して敵意がなく、全幅の信頼を置いていることを証明するものなのです。
その習性が犬にも引き継がれているのです。
ですが現代の犬にとってもお手の意味は少し変化しているようです。
現在のお手は”しつけ”と考えるより”遊びの一つ”と考えて
現代の犬にとってのお手は昔のオオカミや犬ほど
信頼や忠誠を含んではいないようです。
どういうことかというと、
愛犬が何かを要求する時に飼い主さんが求めていないのに
お手をしたり、まるで何かを言いたげに前足でカリカリとしてくることはありませんか?
本来は大事な脚や肉球を気軽に人に触れさせるものではなかったはずなのに、
おやつが欲しい、遊んでほしい、いたずらを怒られて許してほしいなど、
自分の意志をわかってもらうために犬がお手を利用するように!
私が愛犬を見ていて、犬はとても頭がいいと感じるのは、
常に飼い主の行動を見て次にどうなるかという予測をしているところ。
飼い主さんが朝起きて、顔を洗ったり着替えを始めたら「お出かけするな」と解釈するし、
パジャマに着替えて電気を消したら「寝室に行っておやすみだな」と解釈しています。
○○をすれば●●になる
ということを経験値で記憶しているのです。
なので
お手をすれば喜んでくれて遊んでもらえる
お手をすれば頭をなでで許してくれる
ということを理解しているのです。
飼い主さんがテレビを見ているところにトコトコとやってきて肩をカリカリ
こんなことを愛犬からされたら可愛さのあまり何でも要求を聞いてあげたくなりますよね。
ですが聞き入れてしまうことでいつしか上下関係が逆転することもあるので要注意!
犬がするお手とおかわりは右足と左足どっちが正解?
犬がするお手とおかわりには実は正式に決まっていることをご存知ですか?
「お手」は英語では「Shake(握手)」で、
英語圏での正式な握手は「右手」と決まっているとのこと。
つまり、
人間は「お手」と言って右手を出し、お手をする犬は右足を出す
というのが本来の「お手」。
そして
人間は「おかわり」と言って右手を出し、おかわりをする犬は左足を出す
というのが本来の「おかわり」だそうですが・・・
ここまで忠実に使い分けられる飼い主さんと犬っているのでしょうか^^;
我が家の愛犬は「お手」でも「おかわり」でも
とにかく手当たり次第に両足を出しまくります(笑)
しまいには両足乗せてくれたりすることも(爆)
犬にお手を覚えさせる教え方
愛犬とのコミュニケーションの一つとしてお手を覚えさせようと思っても、
やはりしつけというよりは芸という考え方で嫌う方も多いからなんでしょうか、
実はしつけ本にもあまり載っていない「お手の教え方」。
覚えさせれば敏感な足先も抵抗なく触らせてくれるようになるため、
散歩の後の足拭きや爪切りなどお手入れ時にも役立つのでぜひ教えてみてください。
① 手におやつを握り、無言で犬の前に出す
おやすを握り、手のひら側を上に向けて犬の前に差し出します。
そして犬がおやつを摂ろうとするのを待ちます。
たまに指を少し開くなどしておやつをチラつかせてもOK。
② 犬が片足をかけたらすかさず”オテ”と声をかける
お安が欲しくて犬が色々試す中で、前足を手にかけた時に
すかさず「オテ!」と声を掛けます。
③ 握っていた手を開きおやつを食べさせる
「オテ!」と声をかけた後に、パッと手を開いて
手の中のおやつを与えます。
④ ①~③を繰り返す
①~③を繰り返し練習することで「前足を飼い主さんの手に乗せる」という行為を覚えるので、
手を差し出して「オテ」というだけでおやつがなくても前足を出すようになります。
⑤ お手を覚えたらおかわりを教えよう
教え方は基本的に「オテ」と同じで、
お安を握った手を犬の前に差し出し、犬が「オテ」の反対の前足を手にかけてきたら
すかさず「オカワリ!」と声をかけ、手を開いておやつを与えます。
まとめ
犬をしつけるときの「お手」の必要性や、
正式なお手・おかわりについてとその教え方をご紹介しました。
正式なお手・おかわりとはいえ、実際にはそれほど左右にこだわって教える人は少ないようです。
結局のところ飼い主さんが「お手」「おかわり」と言ったことに対して
愛犬が「前足」を飼い主さんの手に乗せてくれたらミッションクリアですよね^^