大学進学を目指す受験生の皆さんは、受験以外にも調べなくてはいけないことがありますよね。
実家から近い大学を目指しているならともかく、実家から離れた大学を目指す場合には、
一人暮らしにかかる費用についても考えなければなりません。
将来一人暮らしをする地域がどんなところで、家賃はどれくらい予算すればいいのか、
バイト出来るところはあるのか?バイトでどれくらい稼げるのか?
というところは実際に行ってみないとわかりません。
なので、いざという時に備えて奨学金を借りることを考えますよね。
今回は日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金の違いや、
入学時特別増額貸与奨学金について、
日本学生支援機構と連携しているろうきんの「入学時必要資金融資」についてお話します。
奨学金第一種と第二種の違い
ではまず第一種奨学金と第二種奨学金のちがいについて大まかにご説明します。
第一種奨学金
無利子の奨学金
進学先の学校が国公立か私立か、そして自宅通学か自宅外通学かによって
借りられる奨学金の最高月額が変わります。
例えば、
4年生大学・国公立の場合 → 自宅通いで45,000円、自宅外で51,000円、
4年生大学・私立大学の場合 → 自宅通いで54,000円、自宅外で64,000円
となっています(平成30年度現在)
第二種奨学金
有利子の奨学金
借りる月額を2万~12万円の中から1万円刻みで選択することができます。
返済時に利息が加わるものの、その利率には3%までという上限があるので
一般的なローンよりもずっと良心的です。
そして実はもう一つ選択できる奨学金があります。それは・・・
入学時特別増額貸与奨学金はいつもらえるの?
奨学金には第一種と第二種の他にもう一つの奨学金が存在します。
入学時特別増額貸与奨学金
有利子の奨学金(利率の設定条件が第二種とは少し違います。)
入学金や授業料など、大学への入学が決まってから納入する費用は結構な金額です。
入学時に何かとかかる費用に充てるためのお金を
第一種、第二種の枠とは別に貸してくれるというものになります。
借りられる金額は、10万、20万、30万、40万、50万の中から選択できます。
なんですが・・・
これを申し込んでおけば入学金も授業料も安心♪
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ではありません!!!
私立の推薦合格だと早くて11月に結果が出て、数日後~2週間程度で
入学金を振り込まなければなりません。
しかもAO入試ならもっと早いです。
ですが、この「入学時特別増額貸与奨学金」というのは、
一見、入学金や授業料を支払うために借りられるように見えますが、
振り込まれるのは第一種、第二種の奨学金と同じ振り込み日なんです!
ということは、合格発表の早い私立大学へ支払う入学金や授業料は、
全く別に用意しておく必要があります。
用意できるのであればいいのですが、どうしても用意することが難しい場合には・・・
入学時特別増額貸与奨学金と連動したろうきん入学時必要資金融資
入学時特別増額貸与奨学金を申し込んだところで
納入費用の振り込みに間に合わないんじゃ、
どのみち自分で費用を工面しなきゃいけないってこと?
と疑問に感じますよね。
そこで「ろうきん」では、入学時特別増額貸与奨学金と連動したつなぎ融資の仕組みである
「入学時必要資金融資」というのがあり、
採用になった学生に対して入学時特別増額貸与奨学金を申し込んだ際に
選んだ金額を上限として、前もってお金を貸してくれることになっているんです。
具体的には、貸付金は奨学生に手渡されず、ろうきんが奨学生に代わって
お金を進学先の学校に振り込んでくれます。
そして進学後、振り込まれた入学時特別増額貸与奨学金により労金へ一括返済となります。
なのでもし、一人暮らしにかかる敷金や礼金、身の回りの物を揃えるために借りようと
考えるのであれば、入学時必要資金融資は使えないため、
国や金融機関の教育ローンの審査が通るのであれば、そちらの方がおすすめです。
その他、各校の特待生制度なども調べておくといいですよ。
国や金融機関の教育ローンを利用する場合には、
少なくとも合格発表の1~2か月前に申し込んでおくようにしましょうね。
ろうきんの入学時必要資金融資を利用するには忘れてはならない注意があります。それは、
このつなぎ融資を利用するには、
「入学時特別増額貸与奨学金に採用されること」が前提のため、
どんなの早くても予約採用が決まる10月下旬以降しか利用できないということ。
そのため、
それ以前に学費納入が必要になるAO入試や推薦入試では利用できない
ということを覚えておいてください。
ろうきんの入学時必要資金融資を利用するその他の条件として、
- 親がろうきん取り扱い地域に在住または勤務している
- 奨学金の振込口座をろうきんにする
というものがあります。
ですがこちらも「審査」が必要になりますので、
入学金が必要になる頃より2週間程度早めに手続きをしましょう。
ちなみに申し込みの際に必要書類は、
・合格通知
・入学金がわかる書類
・振込先のわかる書類
・親子関係確認書類
・本人確認書類
・印鑑(親と子それぞれの)
申し込み書類を持って奨学生(本人)と親権者が一緒に窓口へ行きましょう。
詳細は予約採用の採用候補者決定通知と共に手元に届きますので
内容をしっかりご確認の上申し込みましょうね。
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まとめ
奨学金第一種と第二種の違いは「無利子」か「有利子」かという点と、
採用条件と、借りられる金額が違う。
入学時特別増額貸与奨学金はすぐにはもらえない。
入学金や授業料の納入金を用立てできない場合には、
入学時特別増額貸与奨学金に申し込み、それに連動した
ろうきんの「入学時必要資金融資」を申し込む。
ただし、入学時必要資金融資は入学金や授業料という「進学先への納付金のみ」
に当てられますので、一人暮らしにかかる費用も借りたいという場合には、
国の教育ローンのほうがおすすめ。
大学受験に向けて勉強に集中したいところでしょうが、
大学入学後の大切なお金のお話です。
しっかりと計画を立てて奨学金を大学進学に生かしましょう。