干支の由来と順番 漢字の意味は?中国の亥年は猪じゃない本当の理由

十二支の由来と本当の意味

日本では年末に年賀状の話題が持ち上がります。

その時に考えるのは来年の干支についてですよね。

子供の頃からそれが普通として育ってきているので、
今さらそこに疑問を持つ日本人はいないのでしょうが、

海外から来た方にとってはきっと不思議な文化に映っているでしょうね。

ですが改めて「なぜ年を動物であらわすのだろう?」

と考えると、本当の理由を答えられる人は少ないのでは?

ということで今回は、干支にまつわる由来や順番、

漢字の意味についてお話していきたいと思います。

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干支の由来 順番はなぜこうなった?

普段私たちが使う干支とは、

12年をひと周期とする「十二支」とよばれるものです。

十二の年には、

「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」

の12の漢字が付けられており、それぞれの漢字には

子 = ねずみ
丑 = うし
寅 = とら
卯 = うさぎ
辰 = りゅう
巳 = へび
午 = うま
未 = ひつじ
申 = さる
酉 = とり
戌 = いぬ
亥 = いのしし

という12の動物が当てられています。

なぜ他にも動物はたくさんいるのにこの12の動物が選ばれたのでしょうか?

それに関しては子供の頃に「十二支のはじまり」
という昔話で聞いたことがあるという方も
多くいると思いますが、知らない方のために、

まずはその昔話の内容をご紹介しますね。

◆ 十二支のはじまり
古代中国のある年の瀬のこと。

神様が屋敷に動物たちを集め、

「1月1日の朝に私のところへ来てください。

最初に到着した者から12番目までに到着した者を
順番に1年ずつその年の「大将」にします。」

と言いました。

それを聞いた動物たちは「我こそは!」とみんな張り切りました。

そんな中、最初に神様の元に向かったのは、

夜中のうちに出発した「うし」でした。

するとそれを見ていたねずみが、

(うしの背中に乗っていけば・・・寝ながら神様のところに行けるゾWW)

と悪知恵を働かせ、こっそりうしの背中に飛び乗りました。

そして朝になると他の動物たちも1番を目指し次々出発。

結局神様の元へ最初に辿り着いたのはやはり「うし」でした。

ですがうしが神様の屋敷へ入ろうとしたその時、

うしの背中に乗っていたねずみがピョ~ンと飛び降り、

ねずみが1番に辿り着いたことに!

こうして十二支の1番目はねずみ、2番目がうしに決まりました。

続いて足の速いとらとうさぎが到着し、

さらにりゅう、へび、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ

と次々に到着していきました。

最後の12番目に到着したのは足が速いはずのいのしし。

なぜ足が速いはずのいのししが最後になったかというと

なんといのししは神様の屋敷を一度通り越してしまったんだとか。

こうして神様の元に辿り着いた順に十二支の動物が決まったという話。

ちなみになぜ十二支にねこが入っていないかというと、

ねこがねずみに日程を確認したところ、ウソの日程を教えられてしまい、

ねこだけが1月2日に神様の元へ行ったんだとか。これにより

「干支の仲間入りが叶わなかったことを恨んだねこは
ねずみを見るたびに追い回すようになった。」

と言われています^^

干支の漢字の本当の意味

先ほどご紹介した干支のはじまりに関する昔話は
聞いたことがあるという方も多いと思いますが、

本当にこの昔話がきっかけで十二支の動物が決まったと思いますか?

これはあくまで昔話という「作り話」であり、実話ではありません(当然ですよね)

では十二支はどのようにして決められたのでしょう?

そもそも十二支というのは紀元前1600年頃

中国の殷の時代に作られたものなのです。

実はこの「子」、「丑」・・・という漢字は動物を表すものではありませんでした。

では一体これらは何を表す漢字なのかというと、

子 = 1番目
丑 = 2番目
寅 = 3番目
卯 = 4番目
辰 = 5番目
巳 = 6番目
午 = 7番目
未 = 8番目
申 = 9番目
酉 = 10番目
戌 = 11番目
亥 = 12番目

というように、「順番」を表す漢字だったのです。

ですが、当時の中国には漢字がわからない人がたくさんいたため、

漢字がわからない人でも十二支が覚えられるようにと

それぞれの漢字に12の動物を当てはめて覚えやすくしたのです。

でもなぜ他にもたくさんの動物がいるのに、この
の動物が選ばれたのでしょうか?

それは・・・

例えば、「子」という文字はこどもの「こ」と読みますよね。

子供をたくさん産む身近な動物がねずみだったため、

「子」という文字に「ねずみ」を当てはめました。

他には、

「卯」という文字はうさぎの耳ににているということから「うさぎ」に、

「巳」という文字はへびのような形をしているということから「へび」に、

「申」という文字は人間のあばら骨に似ていたことから人間に似ている「さる」に。

このように、十二支を覚えやすくするために文字の形や意味合いから「身近な動物」が当てはめられたのであり、

「どうしてもこの動物でなければいけない!」という理由でつけられたわけではありませんでした。

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中国では亥年は猪じゃない!?

中国発祥の干支の文化は、日本へ6~7世紀の飛鳥時代頃に伝わり現在に至ります。

中国から伝わったはずの十二支の文化なのですが、

なんと中国の十二支には「いのしし年」が存在しないのをご存知ですか?

では中国の亥年には何の動物が当てはめられているのかといいますと、

日本の「亥年」は「いのしし」ですが、

中国の「亥年」は「ぶた」が当てはめられているそうです。

その理由は、十二支が日本に伝わった当初、日本には「豚」がいなかった上に、
「豚」という動物の存在すら知らなかったため、日本に昔からいた

「猪」が豚に似ている

ということから、「いのしし」に変えられたんだそう。

ちなみに日本に豚が入ってきたのは明治時代以降「家畜」として入ってきたのが始まりだそうです。

日本人と豚の歴史って意外と浅いんですね。

まとめ

干支の由来と順番にまつわる昔話はあるがあくまで「作り話」で事実ではない。

漢字の本当の意味は単なる「順番」だが、当初漢字の読めなかった中国人のために
意味や形から身近な動物を当てはめていったことが理由。

中国の亥年は猪ではなく豚が当てはめられている。
その理由は、日本に伝わった当初「豚」の存在を知らなかったため
日本では亥年には「猪」が当てはめられた。

余談ですが、十二支の漢字は方位を表すことにも使われますが、
「子」は北を指し、「午」は南を指すことから、

経線のことを「子午線」と呼びます。

ちょっとした豆知識として覚えておいてくださいね。

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