小さい子供をお持ちのお父さんやお母さんの多くは、
子供にはしっかりとした教育を与えたいと思いますよね。
そして子供1人につき毎月1万円の掛け金の学資保険に入って
安心している方も多いことでしょう。
ですが、実際に大学へ進学となったときのことはもっと具体的に想定する必要があります。
自宅から通える国立大学へ進学した場合と、
地方の私立大学へ進学した場合ではかかる費用は大きく変わってくるからです。
もし子供が選んだ大学が地方の私立大学だったとしたら、
満期を迎えた学資保険「だけ」では足りなくなってしまいますよ。
それでは一般的な家庭では大学にかかる費用をどうしてるのか、
国公立大学と私立大学それぞれにかかる月々の費用、
大学進学後に学費が払えなくなったらどうなるのかについてご紹介します。
大学にかかる費用 みんなどうしてるの?
日本での義務教育は中学校3年生までとはいえ、
今や多くの家庭では高校進学は当たり前とかしていて、
高校にかかる費用も当たり前に親が出していますよね。
ですが大学となると、その費用の捻出方法は各家庭様々です。
大学費用は親が出す
ネット上では、「大学費用は親が出すもの」という考えの方もいれば、
「子ども自身が出すもの」という考えの方もいます。
大学費用は親の義務と考えている方の意見は、
・自分もかつてそうしてもらったから
・子供が生まれた時点で18年後には大学進学の可能性があるのだから
それを見越して貯蓄しておかないのはおかしい・「お母さんは家にいてあげないと。お金はなんとでもなる」といって
大学費用を奨学金で賄うのはあまりに無計画・子供がかわいそう
・将来結婚する時に相手にも奨学金の支払いがあると大変になる
大学費用は親が出すのが当然との考えをお持ちの方は、
どうやらかつて自分も親からそうしてもらったという経緯がある方が多い気がします。
ということは、比較的「裕福」な環境で生活し続けられている方が
このような考え方をされるようです。
大学費用は親に出してもらうが後で返す
子供の大学費用はあくまで親が「立て替え」ておき、
子供が独立して収入を得られるようになってから返してもらうという考えの方の意見は、
・自分は大学に行かせてもらえなかったから子供は行かせてやりたいけど、
自分たちの生活もギリギリでやっているので将来返してもらえたらありがたい・家計に余裕があるわけではないけど、子供が奨学金を借りることには抵抗がある
大学費用は親の義務と考える方に比べると、
自分は経済的理由で大学に行かせてもらえなかったという方が多くなる気がします。
子供のために一時的に大学費用を出すことはできるが、
自分たちの老後を考えると決して余裕があるわけではないので、
将来的に少しずつでもいいから返してもらえればという気持ちのようです。
ただ、子供が大学卒業後、順風満帆な社会人生活を送っていれば返してもらえるでしょうが、
そうでない場合は親として「いつでもいいよ」と言ってしまう方も多いのでは?
大学費用は奨学金を借りて支払う
大学費用は子供自身が奨学金を借りて払わせるという考えの方は、
親が出して後に返してもらうとする方と境遇は似ていて、
・自分は大学に行かせてもらえなかったから子供は行かせてやりたいけど、
自分たちの生活もギリギリ、立て替えるだけの余力もない・奨学金は他の借金に比べて利息も低ければ、返済がきつい時は返済期限猶予や
減額返還など柔軟に対応してくれる制度もあるから心配ない
大学費用を出してあげたい気持ちはあっても、
現実的に出してあげることができないという方にとっては奨学金制度はありがたい話。
奨学金について理解がない人は、
奨学金はローンを組むのと同じだから「借金」だ
と考えるようですが、確かに借金ではあるものの、
ローンに比べたらかなり優遇された制度なのですよ。
教育ローンと奨学金は借りるならどっち?
という質問をされる方もいますが、ローンというのは
途中で返済がきついと感じたとしても返し続ける以外ありませんが、
奨学金の場合は返済期限を待ってもらえる「返済期限猶予」や、
月々の返済額を少なくして返済期間を伸ばしてもらえる「減額返済」という
奨学金独自の猶予制度が充実していますので、
私は教育ローンと奨学金どちらを借りるかと聞かれれば断然奨学金という答えになります。
大学の費用は月々どれくらいかかるの?
大学生活にかかる費用はこれは冒頭でもお話した通り、
自宅から通える大学かそうでないかや、
国公立か私立かによって月々にかかる費用には大きな差が生じます。
なのでここでは単純に「大学にかかる費用のみ」になりますがご紹介していきます。
国立大学は一律ですが、公立、私立大学では、
各大学、各学部などによって学費に違いが出てきますので、
おおよその金額となっています。
国立大学にかかる費用
入学料:282,000円(入学時)
授業料:535,800円(年間)
なので4年制大学の場合、授業料が535,800円×4年分となり、
総額 2,425,200円 となります。
6年制の場合だと授業料が535,800円×6年分となるため、
総額 3,496,800円 となります。
公立大学にかかる費用
公立大学は一部の大学でかかる費用が異なるため、
平均でおおよその数字をご紹介します。
入学料:393,400円(入学時)
授業料:537,800円(年間)
4年制のため授業料は537,800円×4年分となり、
総額 2,544,600円 となります。
国立に比べ約12万円ほど費用が多くなります。
私立大学にかかる費用
私立大学は各大学によりかかる費用が異なるため、
平均でおおよその数字をご紹介します。
入学料:約252,000円(入学時)
施設設備費:約181,300円
授業料:約900,100円(年間)
(参考:私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)
私立大学には国公立にはない「施設設備費」という費用があり、
授業料と同じく毎年支払わなければならないため、
(施設設備費181,300円+授業料900,100円)×4年分となり、
総額 約4,577,600円 となります。
ちなみに6年制である私立大学医学部となると大学によりかなり差があり、
年間授業料の幅は約300万円~1,100万円。
(参考:医学部偏差値比較ランキング)
この授業料に6(年)をかけると・・・((((;゚Д゚))))))ヒエーッ
学費は通常、前期と後期の年2回に分けて支払います。
なので月々どれくらいかかるかは年間授業料を12で割ると出ます。
例えば国立大学の場合だと、
年間授業料は535,800円なので、月々44,650円かかることになります。
もし奨学金で授業料を支払う場合には、毎月44,650円以上残すようにしなければいけません。
国公立大学で第一種奨学金を借りる自宅学生の場合、奨学金は45,000円となりますので、
まさに授業料を支払うために借りる感じになりますね。
大学入学後にもし学費が払えないとわかったら
学費は通常、前期と後期の年2回に分けて支払うものなのですが、
大学によっては年3回~6回で選べる場合や、
毎月分割で支払うことができる「分納制度」を採用している場合もあります。
この辺は各学校パンフレットなどで確認してみるとよいでしょう。
ですがもしどう頑張っても学費が払えないとわかった時には
「延納制度」といって学費を期限までに支払うことが困難と認められれば
その支払い期限を延長してもらうことができる制度がある場合もありますので、
「このままだと学費が払えない」とわかった時点で早急に子供に
学生課へ相談に行くように伝えましょう。
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まとめ
大学費用は世間一般的にどうしてるかは、
親が育ってきた環境や考え方で誰が捻出するか変わる。
大学費用は国公立で月々約45,000円程度かかる。
学費が払えないかもしれないとわかった時には、
まず通っている大学に支払い回数を増やす「分納制度」や
支払期限を延長してもらえる「延納制度」がないか調べるか、または
早急に学生課に相談に行くようにする。
日本の大学にかかる費用は他の国に比べると結構かかりますよね。
なので大学を選ぶ時には、どの大学を卒業後
どのような道へ進むのか、その先で得られる収入はどれくらいになるのかなど、
しっかり考えてあげることこそが本当の「親の義務」だと私は考えます。