我が家では可愛い小型犬を2匹飼っているのですが、毎年春になると動物病院から
「フィラリアの予防接種を受けましょう」というはがきが届きます。
なんでも「フィラリア」って寄生虫のことで、
この虫が犬の体内に入ると、心臓疾患にかかるんだとか!
でも我が家のワンちゃんたちは「室内犬」で、
お散歩も毎日は行かないし、行っても近所を2~3周するくらいで
草むらを走り回るわけじゃないし・・・。
外で飼っているなら必要かもしれないけど、
室内犬には必要ないのでは?
でもそんな状況を知ったうえで動物病院ははがきを送っているのかも・・・。
そこで、フィラリア予防は室内犬にも必要か?しないとどうなるのか?
感染率はどれくらいかを調べてみました。
犬のフィラリア予防は室内犬にも必要?
犬を飼うと、エサ代やトイレシート代の他、
毎年、狂犬病の予防接種や混合ワクチン、フィラリア予防など、
それなりにお金がかかりますよね。
しかも人間のように「保険適用で〇割負担」というわけにはいきませんから、
一度にかかる出費はなかなかのもの。
ついつい「蚊に刺されないように気を付ければフィラリア予防はしなくていいのでは?」
と都合よく考えたくなります。
それにネットでイロイロ調べていると
フィラリア予防「必要説」と「不必要説」が見つかり、
飼い主としてどちらの意見を取り入れたらいいのかわからなくなってしまいます。
そこで、我が家の愛犬がお世話になっている動物病院の獣医さんに実際のところを教えていただきました。
不必要説を唱える人は予防薬を売ると儲かる獣医や製薬会社の陰謀だと思っている
我が家の愛犬がお世話になっている動物病院の獣医さんは動物が本当に大好きで
獣医さんになった方なので、動物にとって体にいいものは積極的におすすめしてくれますが、
必要のないものはきっぱりと「必要ありません!」と断言してくれる信頼できる獣医さんです。
その獣医さんが、フィラリア予防薬がなぜ必要かということをわかりやすく教えてくれました。
結果としてはやはり「フィラリア予防は必要」とのことですが一点だけ、
海外から個人輸入した薬などは絶対に飲ませないで!
という注意を受けました。
なぜならフィラリア予防薬は「要指示薬」と言って
獣医の処方箋がないと手に入れられないもの、
つまりは動物病院でしか購入できません。
にもかかわらず、なんとか安く済ませたいがために、
製造元などが信用に足りうるかもわからないような薬を飲ませるのって
冷静に考えたらその方が怖くないですか?
万が一、その薬でワンちゃんの体調が急変したとしても、
獣医さんからすればそれは「飼い主さんのせい」です。
フィラリア予防薬にかかる費用は、
犬を飼うために必要な経費であることを認識しましょう。
犬のフィラリア予防ってしないとどうなるの?
フィラリア症とは、正式名称が「犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)」といいます。
この字ずらで寄生虫による病気であることがわかると思いますが、
具体的には「心臓に問題が生じる病気」です。
では、フィラリア予防を怠って愛犬がフィラリアに感染してしまったらどうなるのか?
フィラリアに感染してしまった犬の体内ではどんなことが起こっているのでしょう。
犬糸状虫の成長
犬糸状虫は、犬の心臓に寄生して成虫になります。
成虫になった犬糸状虫は赤ちゃんをたくさん産みます。
それが犬の血液と共に流れ、蚊に吸われ、その蚊が別の犬の血を吸ったときに
別の犬の体内に寄生します。
そしてその犬の心臓をめがけて体内を循環し、
心臓にたどり着くと成虫になり、赤ちゃんをたくさん産みます・・・。
私の調べでは理由まではわかりませんでしたが、フィラリアの幼虫は
生まれた犬の体内にいたままでは成虫になることができないんだそうです。
なので幼虫から成虫になるためには何が何でも他の犬に寄生しなくてはなりません。
寄生虫が生き延びるためには「蚊に吸ってもらう」という行為がなければ成立しないのに、
それでも「フィラリア症」がなくならないんだから、
寄生虫の生きるための執念って凄まじいですね・・・。
寄生虫が成虫になるためにも犬には長生きしてもらう必要が
フィラリアに感染してしまうとどんな症状が現れるのかというと、
感染した瞬間、体調が急変するようなことはありません。
だって、やっとの思いで新しい犬に寄生できた犬糸状虫のせいで
犬がすぐに亡くなってしまったら、犬糸状虫だって道連れになってしまいますよね。
そのために犬糸状虫は何をするかというと・・・
「宿主である犬に気づかれないように静かに暮らす」
ということです。
感染してすぐに何かしらの症状が現れることはありませんが、
だからといってそのまま放置するのは間違いです。
虫が体内に存在することによる微弱な刺激、
虫の排泄物による刺激などによりじわじわと、
フィラリアが寄生した犬の体の中は静かに、確実に蝕まれていきます。
人間もそうですが、動脈硬化になった部分の血管は二度と元に戻りません。
硬くなった動脈は心臓に負担がかかります。
それが進行すると心不全を起こしてしまいます。犬もこれと同じ。
こうなってしまってからだと治療したとしても
元の健康体には戻れません。
なので体に寄生したフィラリアが犬の体内に住み着く前に
虫を殺さなければいけないのです。
犬のフィラリア感染率ってどれくらい?
ある動物愛護センターが行ったデータによると、
「動物病院で検査した犬の約15%」
そのうち約90%が室外で飼われてた犬とのこと。
これはあくまで「動物病院で検査した犬」に特化したデータなので、
実際にはもっと数字は大きいと思いますし、
「室内犬は感染しないんだ」と安心するのは違います。
あくまで確率の話であって、たとえほとんど散歩をしなかったとしても
室内に蚊のほうから侵入してくる場合もありますよね。
いずれにしても、症状が静かに進む病気ゆえ、
早期発見が難しいので、毎年の検査と予防接種は欠かさないようにしましょう。
まとめ
犬のフィラリア予防の必要性について
室内犬にもフィラリア予防は必要
フィラリア予防薬を売ると儲かる獣医や製薬会社の陰謀ではない
フィラリアに感染した犬の体内で「犬糸状虫」が心臓に寄生して成長するため、
心臓がボロボロになり、結果心臓疾患を患う
感染率は動物病院で検査した犬の約15%
そのうち約90%は外で飼われている犬ですが、
室内犬には窓から侵入した蚊に刺されて感染する可能性もある
大切な家族の一員である愛犬の健康は飼い主である
あなたがしっかり守ってあげましょう!